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多摩武蔵野ウォーキング
 
青梅市  OME  
  岩蔵温泉周辺
いわくらおんせん周辺 
都内で味わう田舎の風景-温泉で疲れを癒すゆったりウォーキング

青梅市の北東部、埼玉県との境にあたる丘稜地帯にある岩蔵温泉は、東京都内の数少ない温泉場の一つとして昔から知られている。温泉につかってゆっくり休み、美味しいものを食べながらのんびりと過ごす・・・というのが一般的な楽しみ方だが、今回のコースでは、岩蔵周辺にあるあまり知られていないスポットを巡りながら、岩蔵温泉を最終地点とするルートをご紹介する。春の日差しが心地良い季節、東京とは思えないのどかな風景を楽しみながら、最後は温泉で一日の疲れをとる - そんなウォーキングもいかがだろうか

 
 
全長
約3キロ
所要時間
約1.5時間
Access :電車
JR青梅線「青梅」または「河辺駅」下車。西武バス(飯能駅行き)、又は都営バス(上成木、小曽木廻り行き)で約30分。東京炭鉱前下車
Access : 車
新宿方面より青梅街道経由で約2時間
おすすめ
シーズン
春から秋がおすすめですが、温泉派なら冬も。
 
 
 
1 東京炭鉱前バス亭
 ↓
徒歩5分
2 東京炭鉱
 ↓
徒歩10分
3 花木園
 ↓
徒歩25分
4 岩蔵御嶽神社
 ↓
徒歩7分
5 岩蔵の大岩
 ↓
徒歩20分
6 岩蔵鉱泉
 ↓
徒歩5分
7 岩藏温泉バス停
 
 
 

 東京炭鉱跡    バスの停留所が示す消えゆく炭鉱の足跡

歴史
今回のスタート地点は「東京炭鉱跡」。「東京炭鉱」と聞いて、ピンとくる人が果たしてどの位いるだろうか。青梅の地に炭鉱があったとは・・というのが大方の反応ではないだろうか。東京炭鉱は、昭和10年(1935年)から創業を開始し、昭和35年(1960)の閉山まで主に泥炭を採炭していた。最盛期には40人前後の従業員が毎日500トンを産出していたという。暖房用の燃料や肥料として使われていたが、石油や化学肥料の普及により徐々に採掘されなくなり閉山となった。

東京炭鉱は、J Rの青梅駅からバスで30分ほどの地点にあり、岩蔵温泉の一つ前の停留所である。ちなみに、バスは通常青梅駅または河辺駅から利用できるが、祭日の交通規制の際には変更もあるのでご注意を。バスを降りたら反対側の道路に渡り、そこから住宅地へと続く道に入っていく。 眼前にも背後にも山や緑が広がり、ちょっとした田舎の風景という感じである。ほどなくして左に入る砂利道があるので、そこを進んでいくと「小曾木4丁目運動広場」が見えてくる。こじんまりした運動場だが、その脇にある草の生い茂った場所がどうやら炭鉱の跡地らしい。「らしい」というのは、見た限りでは炭鉱跡の面影を残すものは何もないためである。以前は堅杭の跡なども残っていたらしいが、それも今は見当たらない。地元の人に話を聞いたところ、「子供の頃にカンテラを持った人たちが入っていく姿を見たのを覚えている」と語ってくれた。数十年先には、バスの停留所のみが唯一その存在を伝えてくれるものになるかもしれない。

東京炭鉱前バス停
小曾木4丁目運動広場
炭鉱跡地
 
 花木園    家族連れにお勧めの手軽な休日スポット
 
再び住宅地沿いの道に戻り、道なりに進んでいくと黒沢川にぶつかる。橋を渡ると「花木園(かぼくえん)まで400メートル」の看板が見えるので、その道をひたすらまっすぐに歩いていく。方々に畑を耕している人の姿が目に入り、たまに車が通る以外はいたって静かで、聞こえるのは黒沢川のせせらぎと鳥の声だけといっても良い。春の陽気のせいもあってか、東京にいることを忘れるようなのどかな風景である。そんなことを考えている間に、右手に花壇で彩られた「花木園」の文字が見えてきた。

「花木園」は、さまざまな人に農業への理解を深めてもらい、また自然に親しみながら健康の増進を図ってもらうという目的で1985年に創られた公園である。昼の時間にはまだ早いが、園内にはすでに遊んでいる子供たちやバーベキューの準備を始める家族連れなどの姿が見られた。他にもバトミントンをしたり、園内を散歩したりと、皆それぞれ思い思いの方法で休日を楽しんでいるようだ。注目すべきは、全長211メートルというローラー滑り台。園内に占めているスペースからして、なるほど確かに大きい。子供たちが次々と楽しそうに滑っている姿が目に映る。園内はさほど広いとうい印象はなかったが、なんといっても入園料が無料(駐車場代は土日・祝日のみ有料)というのが嬉しい。気軽に家族で休日を楽しむには最適ではないだろうか。園内には畑もあり、体験農業も行っている。

花木園
住所 東京都青梅市小曾木4-2615-1
電話 0428-22-1111
その他 入園日・時間の制限なし
 
アスレチック遊具
青梅市の花でもある梅の木畑
反対側まで続くローラーすべり台
 
 岩蔵御嶽から岩蔵鉱泉へ 日本神話の英雄が疲れを癒した湯の町
歴史
花木園の次は、再び小曾木街道の方へ戻るのだが、来た道とは違うルートで行くことにする。「花木園」を出て、来た道を少し戻り、「花木園第三駐車場」のところで右に曲がると、畑を通る道に出る。ここもやはり東京であることを忘れてしまう風景である。しばらくすると大通りに出るので、そこを左に入っていくと小曾木街道にぶつかる信号が見えてくる。岩蔵温泉はその小曾木街道の先、岩蔵街道上にある。

岩蔵温泉は東京でも数少ない温泉の一であり、鉱泉は市の指定遺跡となっている。古くから「みそぎの湯」として知られ、湯治場として利用されており、リュウマチ・冷え性・神経痛・不妊症などに効果があるといわれている。その歴史は古く、温泉にまつわる有名な話に「ヤマトタケルノミコト」伝説がある。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)は、「古事記」や「日本書紀」など登場する有名な日本神話の英雄だが、このミコトが東方征伐の際にこの温泉で戦いの傷を癒したという言い伝えである。日本武尊伝説は日本各地に存在し、決して珍しいものではないが、ミコトが「身の安全を祈願して岩で出来た蔵に武具を納めたことが『岩蔵』の由来」だと伝えられていることは興味深い。実際にその武具を治めた場所が「岩蔵の大岩」として今でも残っているというので行ってみることにする。
 
岩蔵御嶽神社
「新岩蔵街道」の信号を渡り、小曾木街道を温泉方向に進んでいくと、左に入る脇道がある。その道を上がって行ったところに「岩蔵の大岩」があるという。坂道を上がっていくと、ほどなくして右手に「村主御嶽神社」という石柱と鳥居が見えてくるので、覗いて見ることにする。鳥居の先はかなり急な階段になっており、上まで行ってみたが何やら工事中のようで中までは見られなかった。「岩蔵御嶽神社」として知られている神社だが、ひっそりとした佇まいから見て、「岩蔵の大岩」同様、恐らく地元の人だけが知っている「知る人ぞ知る」場所のようである。
 
岩蔵御嶽神社からさらに歩き続けると、途中から道は山道のようになり、左にカーブしていく。ひたすらその道沿いに進んでいった先に目に入ってきたのが、岩壁というには小さいが石と呼ぶには大きい岩石。この岩にどうやって武具を治めたのか今となっては知る由もないが、人気のないという点では隠し場所としては相応しいとみえる。

この向こうに岩が
岩蔵の大岩
 
来た道を戻り、小曾木街道へと出たら、そこを左折して進んでいく。次はいよいよ岩蔵温泉である。小曾木通りを進み、ガソリンスタンドの角を右に曲がると岩蔵街道に出る。その辺り一体が旅館がある場所であり、岩蔵鉱泉が市の史跡指定後に建てられた「湯の権現」もそこにある。旅館には、鍋屋旅館、かわ村、儘多屋、司翠館の四つの旅館があり、そのうち鉱泉の湯元でもある儘多屋は、明治16年からの創業という歴史もつ宿である。大正時代には「岩蔵の薬湯」として知られ、お湯の注文が殺到したという(現在配達は行っていない)。
儘多屋
住所 東京都青梅市小曾木5-3140
電話 0428-74-4221
 
これで今回のウォーキングは終了である。旅館には、日帰りコースを用意してあるところもあるので、ここで温泉につかりながら一日の疲れをとり、帰りは岩蔵温泉バス停からバスを利用すると良いだろう。ウォーキングで手足を動かした後の湯は、また格別。
 
【取材後記】  
花木園の藤棚

今回の取材で行った「東京炭鉱跡地」は、ほとんど形跡が残っていない草地でしたが、何故か印象深いです。何十年か後には草地もなくなり、書物でしかその存在が語られなくなるのだろうか・・とか、なぜあのバス停が「東京炭鉱前」というのか気に留める人はいるのだろうか・・などと考えたり。史跡が史跡たる所以は、それを語る人や書物があって初めて可能なことなのだ・・・そんなことを考えていたら、自分が今住んでいる場所が、昔はどんなところだったのだろうということまで、気になってきてしまいまいした。

取材担当:Matsuda
 
 
 

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