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情報は掲載当時のものです。
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八王子市
HACHIOJI
はちおうじ・こうしゅうかいどういちょうなみき
古くは武蔵国最大の勢力を誇る豪族「横山党」の本拠地として、中世には戦国大名「北条氏」の城下町として、江戸時代には甲州道中の宿場町として、近代に入ると絹織物の生産地として、時代とともに発展を遂げてきた「西の都」、八王子。交通の要所として多くの人に利用されながらも、歴史的な寺社、記念碑なども多く残すこの街を、市の象徴ともなっているイチョウ並木を楽しみながら歩いてみました。
全長
約8キロ
所要時間
約3時間
Access :電車
JR中央線・八高線・横浜線「八王子駅」
Access : 車
中央高速道路 八王子ICから15分
おすすめ
シーズン
11月下旬が紅葉の見頃
1 八王子駅
↓
徒歩10分
2 市守神社
↓
徒歩5分
3 桑並木通り
↓
徒歩10分
4 八幡神社
↓
徒歩5分
5 甲州街道
↓
徒歩20分
6 産千代稲荷神社
↓
徒歩10分
7 信松院
↓
徒歩20分
8 イチョウ並木
↓
徒歩40分
9 武蔵陵墓地(多摩御陵)
↓
徒歩20分
10 高尾駅
八王子駅--市守神社--桑並木--八幡神社
古代から地域の中心として栄えた西の交通要所
現在でも、JR中央線・八高線・横浜線、京王線、そして各方面へ伸びる路線バス網が集まる多摩の一大交通拠点として、多くの人々に利用されている八王子駅。 周辺には、そごう、東急スクエアなどの大型商業施設やビルが並んでいますが、街のところどころには、八王子の歴史を思わせる神社や寺も残されています。
北口から徒歩10分のところにあるのが、「市守神社」。毎年11月には酉の市が開かれる神社です。 市守神社の裏手には、八王子が「桑の都」と呼ばれていたことにちなんで片倉製糸から寄贈された、全国的にも珍しい桑並木が続いています。
桑並木から西へ折れたところに立つのが、平安・鎌倉時代にこの地方を治めていた武蔵七党の最大勢力、横山党の本拠地「八幡神社」。彼らは、ここを根城に遠くは神奈川県の相模原市辺りまで勢力を広げたと言われています。
JR八王子駅前
住所
八王子市旭町1-1
甲州街道沿いにある市守神社では
毎年11月に酉の市が開かれる。
「桑の都」という八王子の愛称に
ちなんで植えられた桑並木。
かつて八王子を中心に埼玉県・神奈川県の一部に渡って支配した横山氏の本拠地。
甲州街道 -- 産千代神社
江戸幕府の代官頭として八王子横山宿を整備した大久保長安の陣屋跡
八王子市の中心部を東西に走る甲州街道(甲州道中とも呼ばれた)は、江戸幕府により整備された五街道のひとつ。日本橋から新宿、府中を経て八王子に入り、小仏の関所を経て甲府へと向かうこの街道の八王子市域には横山十五宿、駒木野宿、小仏宿という宿場が設けられていました。
戦国時代には北条氏照により支配されてきた八王子ですが、豊臣秀吉による全国統一が成され、新たに徳川家康が関東の領主となると、代官に任じられた大久保長安による統治が始まります。長安は甲斐の武田信玄・勝頼親子に仕えていましたが、武田氏滅亡後は徳川家康に仕えるようになっていました。
八王子に陣屋を構え、横山十五宿の整備や浅川の治水工事、さらには治安維持のための半士半農集団「八王子千人同心」を組織するなど、江戸開府初期の多摩地域をはじめ、関東一帯の徳川支配体制の基盤を築いていきます。
八王子駅と西八王子駅の中間辺り、中央線線路の北側に位置する「産千代稲荷神社」は長安の陣屋内にあった邸内社とされています。
産千代稲荷神社
住所
八王子市小門町82
信松院
武田信玄の四女「松姫」が暮らした寺院
信松院
住所
八王子市台町3-18-28
TEL
042-622-6978
産千代稲荷神社から線路を渡り徒歩10分ほどの所に、竜宮城を思わせるような煌びやかな出で立ちの寺院「信松院」があります。こちらは、武田信玄の四女・松姫の開基による曹洞宗の寺院で、八王子七福神のひとつ布袋様も祀られています。
松姫は、もともと織田信長の嫡男・信忠との婚約が成立していましたが、三方ヶ原の戦いによる徳川・織田同盟軍との対立が原因で手切れ。信玄・勝頼の死後は、武田家旧臣で江戸幕府の代官頭として八王子宿の整備などを行なっていた大久保長安の支援の下、武田一族や織田信忠の冥福を祈りながら、寺子屋で近所の子供たちに読み書きを教えたり、織物を作ったりしながら生活をしていたと言われています。
武田家の滅亡後、徳川幕府の直参として八王子千人同心に取り立てられていた旧家臣たちからも、心の支えとして慕われた松姫の名は、現在でも八王子銘菓「松姫最中」や「松姫通り」などに残され、八王子の人々から愛されています。
「松姫通り」を進むと竜宮城を思わせる煌びやかな寺院が出現。(写真右)
地下には八王子七福神の1つ「布袋様」も祀られています。
紅葉シーズンには写真を撮影に来る近隣の方々も。
甲州街道イチョウ並木と八王子千人同心屋敷跡碑
甲州街道イチョウ並木-街道沿いに続く768本のイチョウ
甲州街道から多摩御陵まで続くイチョウ並木。
毎年11月にはいちょう祭りが盛大に行われる。
信松院から甲州街道へ戻り、西八王子駅方面へ進むと、陣馬街道との分岐「追分町交差点」の先に「八王子千人同心屋敷跡碑」があります。八王子千人同心は、武蔵国の国境警備や徳川家康が祀られている日光東照宮警備、将軍上洛時の同行・警備などを主な任務としていました。彼らの屋敷が立ち並んでいたこの辺りは、現在「千人町」という地名がつけられています。
「追分町交差点」から高尾駅へかけて、甲州街道にはイチョウ並木が続きます。「市の木」にも制定されているイチョウですが、この並木のイチョウは768本あり、1927年の多摩御陵(武蔵陵墓地)造営の際に植えられたものです。
甲州街道イチョウ並木
住所
八王子市追分町、千人町まど
武蔵陵墓地(多摩御陵)
大正天皇、昭和天皇が眠る広大な皇室墓地
甲州街道を高尾方面へ進み、「多摩御陵入口交差点」を右へ。道なりに進むと、「武蔵陵墓地」(多摩御陵)に辿り着きます。武蔵陵墓地は、大正天皇が崩御されたのを受けて造営された皇室墓地で、貞明皇后や昭和天皇と香淳皇后の4人の皇族方の墓地があり、昭和天皇陵造営までは「多摩御陵」という名称だったため、現在でも「多摩御陵」の通称で呼ばれています。
敷地は広大な庭園になっており、紅葉シーズンには地元の方や、参拝者などが訪れる憩いの場にもなっており、近くにある高尾山と並んで、紅葉狩りの名所ともなっています。
武蔵陵墓地
墓所内には大正天皇・貞明皇后・
昭和天皇・香淳皇后が埋葬されている。
【取材後記】 商人で栄えた宿場町八王子から甲州街道イチョウ並木を歩いて
甲州街道と陣馬街道が分岐する「追分町交差点」の傍らに、コブタがお店の中を駆け回るブタの雑貨屋さん「
ブーピー工房
」があります。
地元在住のイラストレーターさんが中心になって絵本やグッズの制作・販売を行なう他、造形教室やイベントも開催されていらっしゃるそうです。
ウォーキングの途中で、ちょっと寄り道してみて下さい。
取材担当:こぐま
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