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じんぐうがいえんいちょうなみき・あかさかさかす・ろっぽんぎひるず
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青山・赤坂・六本木界隈は、都市の再開発ラッシュで次々と新しいスポットが出現し、街の様相が大きく変化しているエリア。商業と経済活動が活発な地域で、各国の大使館が集中する国際都市である一方、日本古来のものも大事に残され、モダンな街並みの中に文化や伝統、歴史が息づいている。都心にあるからこそ、都会人に安らぎを与える公園や庭園など自然スポットも整備されており、四季を通じて散策が楽しめる街でもある。今回は、紅葉真っ盛りの神宮外苑イチョウ並木を散策し、近隣の名所旧跡を訪ねながら再開発されたばかりの巨大複合施設を巡る、新都市探訪ウォーキング。感動的な景色や意外な歴史、最先端の流行エリアなど、一度は訪ねてみたいスポットばかりだ。
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全長 |
約6.2キロ |
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所要時間 |
約3.5時間 |
Access :電車 |
JR四ッ谷駅下車 |
Access : 車 |
国道20号線で四ッ谷駅前 |
おすすめ
シーズン |
イチョウが紅葉する11月下旬〜12月初旬 |
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1 四ッ谷駅 |
↓ |
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徒歩3分 |
2 迎賓館 |
↓ |
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徒歩15分 |
3 神宮外苑イチョウ並木 |
↓ |
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徒歩15分 |
4 高橋是清翁記念公園 |
↓ |
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徒歩15分 |
5 TBS・赤坂サカス |
↓ |
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徒歩5分 |
6 勝海舟邸跡 |
↓ |
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徒歩1分 |
7 氷川神社 |
↓ |
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徒歩10分 |
8 東京ミッドタウン |
↓ |
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徒歩5分 |
9 六本木ヒルズ |
↓ |
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徒歩1分 |
10 六本木駅 |
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迎賓館 日本のヴェルサイユ宮殿と称えられる豪華絢爛な洋風宮殿 |
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秋の青空が気持ちよく広がる朝は、都心のビル街も爽やかな空気に包まれ、色彩が輝いて見える。こんな日は、紅葉の景色も格別だろうと期待を寄せながら、まずはJR四ッ谷駅前の交差点へ。ここから赤坂方面へ南下すると迎賓館はすぐそこだが、その前に駅前の四谷見附橋を見学しておこう。実はこの橋、迎賓館と調和するように造られ、橋灯や欄干などの花模様に編まれた装飾は、迎賓館内部の廊下や客室などに使われているデザインと同じらしいのだ。こんなところで迎賓館内部の装飾が見られるというのもラッキーだ。
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四ッ谷駅 |
1913年建設の四谷見附橋。橋の装飾に注目! |
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四ッ谷駅からほんの3分ほどで迎賓館のゲート前に到着。日本にはさまざまな歴史的・文化的に貴重な建造物が残っているが、迎賓館ほど日本文化とかけ離れた雰囲気の建造物はないだろう。エレガントなゲートといい、その奥に見える洋風宮殿の優雅な佇まいといい、まさに日本のヴェルサイユ宮殿と呼べるにふさわしく、その美しさと広大さには圧倒される。宮殿の屋根には武士の甲冑の装飾が左右対称に置かれ、中央には菊の紋章が飾られているが、それ以外はネオバロック様式の完全な洋風建築だ。
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迎賓館は、外国の元首や首相などの賓客をもてなし、宿泊や滞在中の首脳会談、署名式、晩餐会などの外交活動を行うために設けられた国の施設。この地はもともと紀州徳川家の上屋敷があったところで、明治42年(1909)に大正天皇の東宮御所として宮殿が建てられ、当時は「赤坂離宮」と呼ばれていた。その後改修され、昭和49年(1974)に国の迎賓施設として開設。これまでに3度ほど東京サミットの会場になっている。 |
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迎賓館。建物は約35,500坪の敷地の中に
建つネオバロック様式の洋風宮殿 |
東西150mの正面ゲート。
普段は非公開だが夏期には一般公開もある |
宮殿正面には日本らしい松の木が並ぶ |
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神宮外苑イチョウ並木 絵画のような風景に思わず足を止める並木道 |
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安鎮坂近辺は静かで歩く人も少ない |
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迎賓館のゲートから向かって右側の道を南へ向かう。この辺りは赤坂御用地が広がっているために街も非常に静かだ。安鎮坂を上ると左に東宮御所、右に明治記念館があり、外苑東通りを渡って道なりにカーブを進めば、神宮外苑イチョウ並木が突如として眼前に現れる。
快晴の日曜日で、紅葉度も満点のこの日は、午前中から沢山の人出があった。真っ青な空をバックに鮮やかに色づいたイチョウが映えて、思わず感嘆の声が上がるほどの美しい景色。歩道に敷き詰められた落ち葉の風景もこの上なくロマンチックで、並木のトンネルを散策する人、風景をカメラに収める人、落ち葉を拾う子供たちなど、人々はイチョウを存分に楽しんでいる様子だ。 |
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神宮外苑イチョウ並木。噴水池から青山通り方面の眺め |
大通り両脇の歩道に植えられているイチョウ並木 |
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歩道はまるでイチョウのトンネル!
散策が楽しい道だ |
歩道には落葉が降り積もり、子供たちも
手に取って遊ぶ |
散策途中に休憩できるベンチもある |
神宮外苑イチョウ並木は、青山通りの外苑「青山門」から北へ延びる幅約33m、長さ約300mの直線道路。左右の歩道の両脇にイチョウが4列になって続き、ほぼ9m間隔で植えられた木の数は146本。今や外苑のシンボルであり、観光バスが次々とやって来るほどの観光名所だ。 |
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神宮外苑イチョウ並木の大通り。中央に聖徳記念絵画館を望む |
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青山門入口右手に建つ石碑
「明治神宮外苑之記」。
外苑造成の由来が記されている |
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明治天皇が榎の前の御座所
から陸軍の観兵式をご覧に
なったという御観兵榎 |
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明治神宮(内苑)が国の資金によって造営されたのに対し、明治神宮外苑は明治天皇を永遠に追慕・敬仰するために民間の寄付金によって造成され、大正15年(1926)に明治神宮に奉献された。広さ約30万uの土地は、明治時代には青山練兵場で、明治天皇ゆかりの地であったことを伝える「御観兵榎」もイチョウ並木東側の雑木林の中にある。この練兵場跡地には聖徳記念絵画館を中心に国立競技場や神宮球場、秩父宮ラグビー場など各種スポーツ施設が建てられ、現在では青少年の心身育成を目指す公園として利用されている。 |
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この時期に開催される「神宮外苑いちょう祭り」はイチョウ並木の突き当たりに広がる噴水と軟式野球場の一部を使って行われている。面白いのはこの噴水会場辺りがちょうど区境だということ。港区の並木道を散策したら、新宿区の祭り会場でひと休み。空の広いオープンスペースで日向ぼっこしながら、軽食で一息入れよう。 |
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神宮外苑いちょう祭りは11月中旬から
12月中旬まで開催 |
噴水池を囲むように出店が並ぶ |
祭り会場の背後には近隣のスポーツ
施設も見える |
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高橋是清翁記念公園 ユーモラスな石像と静寂に癒される庭園 |
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青山通りを東へ向かって歩いていく。ここはイチョウ並木とは打って変わり、ビルの谷間に都会の風が吹き抜けるモダンなストリート。しばらくは左手に東宮御所や秋篠宮邸のある赤坂御用地の緑が広がり、右手にはオフィスビルが連なる。カナダ大使館を通り過ぎると、そのすぐ隣に小さな公園を見つけた。入口から覗いても緑が茂る何の変哲もない公園だが、奥へ入ってみるとちょっと不思議な世界が広がっていた。石像があちこちに建っており、そのどれもがユニークな表情で、なんだかとても癒されるのだ。 |
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白くてモダンな建築のカナダ大使館 |
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イチョウ並木から青山通りへ |
青山ツイン前の歩道 |
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この公園は、明治11年(1878)にこの地が赤坂区となった時分に最初に赤坂区役所が置かれた場所。その後、大正から昭和にかけて首相や蔵相などを歴任した高橋是清の邸宅となったことから、高橋是清翁記念公園と名づけられている。
高橋是清は昭和11年(1936)2月26日、いわゆる2・26事件によって83歳で生涯を閉じ、邸宅と敷地は当時の東京市に寄付され、昭和16年(1941)に公園として開園した。 |
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高橋是清翁像 |
TEL |
03-5413-7015(地区活動推進課) |
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独特な魅力の石像があちこちに建つ |
モミジの紅葉が美しい |
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母屋は現在、小金井市の都立小金井公園内にある「江戸東京たてもの園」に移築されており、ここに残っているのは庭園のみだ。それにしても石像や石灯籠は独特なデザインで、明らかに個人の趣味が見える私邸の庭という感じで面白い。中央には池があり、カエデ、モミジ、クスなどが周りに生い茂り、紅葉が美しく園内を彩っている。
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丸みを帯びたデザインの石灯籠 |
椿と石像 |
雑木林に包まれた静かな公園の外はビルの森 |
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TBS・赤坂サカス 赤坂に新しい文化・夢・花を咲かす新都市スポット
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青山通りを赤坂区民センターの手前で右に曲がり、薬研坂を下りていく。しばらくすると、左手にTBS放送センターの看板が出てくるので、ここを左に入ろう。秋は簡素な風景の小路に見えるが、この道は春には満開の桜に彩られるさくら坂。100本もの桜と新たな文化を「咲かす」、「赤坂サカス」はこの右手だ。沢山の坂がある「坂s」の街、赤坂の新名所を訪ねてみよう。 |
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青山通りから薬研坂へ |
春には関山、山桜、河津桜などが咲くさくら坂 |
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TBS放送局の土地が再開発され、2008年3月にグランドオープンした赤坂サカスは、TBS放送センターをメインに劇場やライブハウス、ギャラリー、イベント広場など文化・情報発信施設を集め、さらにショップやレストランの入ったオフィスビルや住居空間のレジデンスを加えた「職・住・遊」が融合する新しい街だ。 |
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TBS放送センターの隣には
住居レジデンスのビルが建つ |
ミュージカルや演劇、コンサートなどが
行われる赤坂ACTシアター |
ライブハウスの赤坂BLITZとイベント広場 |
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地上39階、地下3階、高さ約180メートル
の赤坂Bizタワー |
赤坂Bizタワーは下層階に店舗が入り、地下鉄赤坂駅にも直結 |
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まずは「ビッグハット」の愛称で知られるTBS放送センターのビルに入ってみよう。1階フロアには放映中のドラマの紹介や、出演者たちが使用した衣装、小道具などの展示コーナーがある。さすがに放送局なので、その先のフロアには許可なく入れないが、南側の出口を出ると、ちょっと楽しいスペースがある。そこにはウルトラマンの雄々しい姿とTBSのマスコットのブタが。ここは親子連れの記念撮影スポットになっているようだ。また、赤坂Bizタワーにはレストランやショップが入っており、タワー前のアネックス1にはTBSストアもあるので、人気番組の限定商品をお土産に買うならここにも寄っていこう。 |
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真新しいビルのTBS放送センター |
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TBSの屋外に立つ仁王立ちのウルトラマン |
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TBSストアには各番組の限定商品が盛り沢山 |
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勝海舟邸跡 住宅街にぽつんと残る幕臣の邸宅跡 |
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赤坂サカスからは、この界隈に残る歴史スポットを少しだけ散策することにした。赤坂サカスの正面の道を西へ向かい、交番のある交差点を渡って南へ進むと、住宅街の路地角に「ソフトタウン赤坂」という白い建物が見えてくる。1階は飲食店だが、特に目立つ建物ではなくごく普通のマンションという感じ。だが、ここはかつて幕末から明治にかけて幕臣として活躍した勝海舟の邸宅があった場所なのだ。飲食店の窓下には、その歴史を物語る記念碑と案内板が掲げられている。
勝海舟は、文政6年(1823)に現在の墨田区両国に生まれ、その後、赤坂の地で蘭学を学び、23歳で結婚。36歳になる安政6年(1859)から明治元年(1868)までの間、このマンションの建つ土地に住んでいたという。勝海舟は赤坂を愛し、終生3ヵ所に移り住んだが、ここに住んでいた約10年間が最も華々しく活躍した時期だった。 |
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案内板によると、
「文久2年(1862)11月、海舟を刺殺しようとして訪れた旧土佐藩士坂本龍馬らに、世界情勢を説いて決意を変えさせ、逆に熱心な門下生に育てて、明治維新への流れに重要な転機を与えることになったのもこの場所である」
とある。今では人通りも車通りも少ない閑静な住宅街だが、この一角で歴史的な出来事が起こったことを思うと、記念碑にも感慨深いものを感じ、しみじみと眺めてしまう。
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勝海舟邸跡のマンションは本氷川坂下の角に建つ |
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氷川神社 史跡が残る境内と大イチョウの紅葉が見事な赤坂の古社 |
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勝海舟邸跡からは本氷川坂を上っていこう。坂の名前にあるように、この坂上には氷川神社があるのだ。坂を上がると、すぐに神域らしい木々の茂みが目に入ってくる。早速、南側の表参道から参詣に入ろう。
境内に入ると、すぐに紅葉真っ盛りのイチョウの巨樹が参詣者を迎えてくれる。目通りの幹径約2.4m、幹周約7.5m、推定樹齢400年という天然記念物の大イチョウは、神宮外苑のイチョウ並木とはまた違ったダイナミックさと風情がある。この日はお日柄もよく、境内では結婚式の風景も見られた。お嫁さんもイチョウの前で記念撮影をし、さぞかし思い出に残る1日になったことだろう。 |
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港区では2番目の大きさと樹齢の大イチョウ。
紅葉をバックに結婚式の記念撮影も |
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赤坂氷川神社は、天暦5年(951)に赤坂一ツ木台地に祀られ、その後、享保15年(1730)に8代将軍徳川吉宗の命によって、老中水野忠之が現在地に社殿を造営したという歴史ある神社。ご祭神はスサノオノミコト、クシイナダヒメノミコト、オオナムヂノミコトといった神様で、社殿は総檜造りの銅板葺き、朱漆塗りで東京都指定有形文化財。組物や彫刻を施さない簡素な造りだが、社殿の格天井には花鳥、壁間には鳳の絵図が描かれるなど厳かで美しい建物だ。 |
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氷川神社の社殿 |
繊細な柱のデザインが目を引く |
境内は秋らしい風情がそこかしこに漂う |
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ところで、この神社は5代将軍綱吉の時代、忠臣蔵で有名な浅野内匠頭の正妻である揺泉院の実家・浅野土佐守邸があったところで、境内の一角には史跡を示す表札も立っている。屋敷には大石内蔵助が討ち入り前に訪れて別れを告げたといわれており、揺泉院は内匠頭の切腹後もこの屋敷に身を寄せ、余生を過ごしたという。
氷川神社には、その他にも月岡芳年の筆による区指定文化財の「『ま組』火消し絵馬」や、勝海舟筆の扁額が現存する四合稲荷神社、また古い石灯籠や土中から発見された力石などの歴史的遺物があり、見どころが満載だ。
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浅野内匠頭の妻・揺泉院の実家、浅野土佐守邸跡 |
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社殿脇に建つ「『ま組』火消し絵馬」の額堂 |
勝海舟ゆかりの四合稲荷神社 |
境内の小さな稲荷神社 |
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東京ミッドタウン 防衛庁跡地を再開発した都市型複合施設の新名所 |
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氷川神社の表参道前から道を西へと辿り、東京ミッドタウンの高層ビル群を目指して檜坂を下る。坂の下には芝生や木々が美しく整備された檜町公園が広がっており、ここから東京ミッドタウンを訪れることにしよう。 |
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檜町公園の池は、毛利家下屋敷の
名庭園「清水園」の池の名残り |
池には東屋もある |
池の周りを彩る紅葉 |
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約10haもの広大な土地に公園とビル群が建設された東京ミッドタウンは、ここに防衛庁があった頃を知っている者としては華麗なる変貌ぶりである。だが、この土地にはもともと長い歴史があるのだ。かつてここは江戸時代には長州藩毛利家の下屋敷があったところで、明治から昭和にかけては陸軍の駐屯地、終戦後は米軍将校の宿舎、そして昭和35年(1960)に防衛庁本庁舎の土地となり、平成12年(2000)に防衛庁が新宿区市ヶ谷新庁舎へ移転するまで、実に400年という長い年月の間、一般には閉ざされた土地として使われていた。その敷地が、平成19年(2007)3月、東京ミッドタウンの誕生とともに、民間都市として利用できるようになったのである。 |
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ミッドタウン・ガーデンに建つオブジェ |
ガーデンの木々は旧防衛庁敷地内に
残されたた140本の樹木を再植樹したもの |
斬新な建設のデザイン・ウィング |
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さて、伝統的な日本庭園の配置を参考にして造られたという東京ミッドタウン。その中央の岩を表現する高層タワーのミッドタウン・タワーには、5つ星ホテルの「ザ・リッツ・カールトン東京」が高層階に入り、その周囲を様々な建物が取り囲む。住居棟の「パーク・レジデンス」、オフィスやホールが入った「ミッドタウン・イースト/ウエスト」、ショッピングエリアの「プラザ」「ガレリア」、「サントリー美術館」の入った「ガーデン・サイド」、「21_21DESIGN SIGHT」の入った「デザイン・ウィング」など。
ここもまた、赤坂サカスや近隣の六本木ヒルズと同様に、「職・住・遊」の機能を融合した都市型複合施設で、豊かな都市生活を実現するための施設配置やサービス、環境配慮がなされている。
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東京ミッドタウンの玄関は外苑東通り側 |
ミッドタウンウエスト(左)とイースト(右) |
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ショップやレストランが入ったガレリア |
東京ミッドタウンの玄関、プラザ入口 |
鉄骨の建築が森の木々のようなキャノピー・スクエア |
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六本木ヒルズ IT産業とセレブの街として全国に名を轟かせた六本木のシンボル |
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東京ミッドタウンから外苑東通り、六本木通りを通って六本木ヒルズへ。2003年にオープンして以来、情報・文化を発信する複合都市として、またIT産業やセレブ居住区のブランド名としてもお馴染みとなった六本木ヒルズだが、さすがにこちらは17年もの歳月をかけて再開発事業が取り組まれた施設だけに、区域面積約11.6ha、建設敷地面積約89,400u、延床面積759,100uという最大級の広さ。ここには、オフィス、共同住宅、ホテル、店舗、美術館、映画館、テレビ朝日、病院、郵便局、駅、専門学校、寺院、庭園、史跡などがあり、「職・住・遊」に「商・学・憩・癒・宗・史…」などまで加わる、まさに近未来のコンパクトシティだ。 |
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地下6階、地上54階の森タワー |
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巨大なオブジェ「ママン」 |
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テレビ朝日とイベント会場のアリーナ、
高層レジデンスが林立する |
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さくら坂の妙経寺 |
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ここでぜひ訪れたいのが、ヒルサイドにある毛利庭園。4,300uの敷地に池を中心として、桜やクス、エノキ、イチョウなどの木々を配した回遊式の日本庭園だ。六本木ヒルズの中庭のような存在になっているが、実は歴史ある庭園で、江戸時代には毛利甲斐守の上屋敷、明治から大正時代にかけては中央大学創始者の増島六一郎氏の自邸、昭和に入るとニッカウヰスキーの東京工場、そしてテレビ朝日の所有となった。その後六本木ヒルズの再開発事業が開始され、平成15年(2003)にオープン。庭園は「毛利庭園」として生まれ変わった。 |
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毛利庭園。昭和18年(1943)に「毛利甲斐守邸跡」
として旧跡指定 |
池の周囲を巡る遊歩道 |
池にはスペースシャトル「コロンビア」内で
誕生した宇宙メダカの子孫も泳ぐ |
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この庭園は、ほかにもひっそりと語られている史実がある。元禄15年(1702)、毛利家で預かった吉良邸討ち入り後の赤穂浪士10人が、翌年にこの屋敷内で切腹しているのだ。また、嘉永12年(1849)には明治の陸軍大将、乃木希典が屋敷内の侍屋敷で生まれ、ここで幼少期を過ごしたことから、大正8年(1919)には「乃木大将誕生地」として旧跡指定を受け、その記念碑がけやき坂のさくら坂公園内に建っている。 |
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赤穂浪士の史実を語る案内板が遊歩道の
一角にひっそりと建つ |
さくら坂公園内に建つ「乃木大将生誕之地碑」 |
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六本木ヒルズをひと回りしたら、今回のウォーキングはここで終了。六本木駅は六本木ヒルズと直結しているので帰りも便利だ。さらに六本木の街を歩くなら、ショップが建ち並ぶ外苑東通りや、外国の大使館が建ち並ぶ麻布界隈などがおすすめ。麻布十番にはなんと天然温泉もあるので、試しに入ってみてはいかがだろう。夜はさらに賑わいを増す街なので、食事と夜景も楽しんでからゆっくりと帰ろう。 |
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六本木交差点に建つ「奏でる乙女」像 |
アマンド前は人々の待ち合わせスポット |
六本木界隈の外灯 |
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【取材後記】 神宮外苑イチョウ並木・赤坂サカス・六本木ヒルズ周辺の歩き方ポイント |
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外苑東通りから見える東京タワー |
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平成12年(2000)に東京都が策定した「東京構想2000」によると、21世紀の望ましい首都の形とは、都民が安心して生き生きと暮らし、経済・文化活動が活発に営まれ、世界中の人・もの・情報などが行き交う「千客万来の世界都市」というイメージが挙げられています。その理想の形を実現すべく都内各所で大規模な再開発が行われ、港区では六本木ヒルズ、赤坂サカス、東京ミッドタウンのほかに、日本テレビのある汐留シオサイトなどが建設され、どれも「職・住・遊」の機能を併せ持った都市型複合施設が特徴です。
これには職場と住宅を近くに置くことで通勤時間を大幅に短縮したり、住居を高層化することで地上に緑地を増やしたり、職住の場に芸術や文化を加えることで人や街に潤いと活力を与えることができるなど、さまざまなメリットがあるようです。ウォーキングでは、近代的なものと古いものが入り混じったリアルな東京の街を歩き、そして再開発された複合都市を訪れることで、東京の新旧両方の魅力を発見できるでしょう。
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取材担当:美月春菜 |
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