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多摩武蔵野ウォーキング
 
千代田区  CHIYODA
  千鳥ケ淵・靖国神社・皇居

ちどりがふち やすくにじんじゃ こうきょえりあ 

千鳥ケ淵から皇居まで - 日本文化と歴史に浸る春のお花見ウォーキング

かつて江戸城のあった皇居を中心としたエリアは、歴史的な建造物はもちろん、桜の名所としても有名なスポットが集中している。一方、オフィス街である丸の内にも近く、近代的なビル群を背景に眺める桜は、このエリアならではの象徴的な風景といえるだろう。都心というアクセスの良さにもかかわらず、緑に囲まれゆったりとした空間に、「都会のオアシス」を感じることもしばしば。今回ご紹介するコースはどれも見所が多い場所なので、主要な歴史スポットを観賞しながら散策をするのも良し、一箇所でのんびりと季節の花を愛でるも良し、好みに応じて楽しんでいただきたい。

 
 
 
全長
約5.5キロ
千鳥ケ淵緑道
所要時間
約3.5時間
Access :電車
東京メトロ東西線・半蔵門線・都営新宿線九段下駅から徒歩約5分
東京メトロ半蔵門線半蔵門駅から徒歩約5分
Access : 車
首都高速都心環状線代官町ICより
おすすめ
シーズン
3月〜4月の桜開花シーズン
 
 
 
1 半蔵門駅
 ↓
徒歩5分
2 千鳥ヶ淵公園
 ↓
徒歩1分
3 千鳥ヶ淵緑道
 ↓
徒歩2分
4 靖国神社
 ↓
徒歩2分
5 北の丸公園
 ↓
徒歩1分
6 皇居東御苑
 ↓
徒歩3分
7 平将門の首塚
 ↓
徒歩10分
8 丸の内周辺
 ↓
徒歩1分
9 東京駅
 
 

 千鳥ケ淵緑道   水面に映える桜並木が美しい

 

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千鳥ケ淵緑道
千鳥ケ淵緑道

地下鉄半蔵門駅5番出口を出て左に向かい、一つ目の信号を右に進んだ先が、千鳥ケ淵エリアである。一見この先に緑道があるのかと思われる一般道を通るが、5分程度歩いたところで枝垂桜が美しい千鳥ケ淵小公園に到着する。高層マンションの前にある小さな敷地の公園だが、枝垂桜の鮮やかなピンクが真っ青な空に映える光景が見事で、人気の写真スポットとなっている。

公園前の信号を渡り、左に進むと緑道の入り口になる。ここから約700メートルほどの区間が千鳥ケ淵緑道となり、お堀に沿って歩きながら、水面に今にも届きそうな桜を観賞することができる。この日はシーズン中だったため、午前中にもかかわらず既にたくさんの人が道を往来していた。

緑道を進むとほどなくして、左手に「戦没者墓苑」の入口が見えてくる。ここは1959年に建設された墓苑で、遺族の手に戻らなかった戦没者の遺骨が納められている場所である。敷地内の奥には納骨堂があり、花を添えたり手を合わせたりしている訪問者の姿が伺える。

緑道に戻りさらに進むと、まさに「桜のアーチ」という言葉がふさわしい光景が広がってきた。手の届きそうなほどの高さで頭上を埋め尽くす桜の光景は、華やかであると同時にどこかしみじみとした雰囲気を感じさせる。明治時代に端を発する歴史の長さゆえ、老木ならではの趣があるのだろう。頭上を覆うほどの桜を愛でながら、お堀の向こうに広がる桜並木も観賞できるとあって、毎年たくさんの人がここを訪れる。距離的には歩いて数分ほどの道だが、シーズン中は混雑しているので早めに来ることをおすすめしたい。
 

 靖国神社   満開の桜が見守る日本の歴史と伝統文化

 
 
靖国神社
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緑道を抜けると目の前が靖国通りとなり、その向こう側に次の目的地である、靖国神社の敷地が見える。靖国神社への入口は何箇所かあるが、右手にある歩道橋を利用すると、ちょうど正面入口から入ることができる。

靖国神社は、1869年(明治2年)、当時長州藩の医師であった大村益次郎の案により、戊辰戦争での戦死者を慰霊することを目的に建立された。当初は、「東京招魂社」(とうきょうしょうこんしゃ)という名だったが、10年後に現在の「靖国神社」という名前に改称される。敷地内には、戦没者を祭る本殿のほか、遊就館、靖国偕行文庫など、戦争の歴史にまつわる施設があるほか、慰霊像や遺品の展示などが所々に見受けられる。

 
靖国神社
住所 千代田区九段北3-1-1
電話 03-3261-8326
内苑開門時間 1、2、11、12月: 午前6時〜午後5時
3、4、9、10月: 午前6時〜午後6時
5月〜8月: 午前6時〜午後7時
入園料 無料
アクセス 中央線/総武線各駅停車「飯田橋駅(西口)」、 「市ヶ谷駅」より徒歩10分 他
URL http://www.yasukuni.or.jp/
 
遊就館
遊就館
開館時間 4月〜9月: 午前9時〜午後5時30分まで、10月〜3月: 午前9時〜午後5時まで、7月13日〜16日のみたままつり期間中は、午前9時〜午後9時まで ※入館は閉館の30分前まで
休館日 年中無休(ただし、6月末及び12月末に数日間の臨時休館日があります)
拝観料 大人 800円 大学生 500円 中高生 300円 小学生 100円
URL
http://www.yasukuni.jp/~yusyukan/
 
1921(大正10)年に日本一の大鳥居として誕生した第一鳥居
1934(昭和9)年に建設された神門。中央の扉にある菊花の紋章は、直径1.5メートル
1921(大正10)年に日本一の大鳥居として誕生した第一鳥居。
1974年に再建された。高さ25メートル
1934(昭和9)年に建設された神門。中央の扉にある
菊花の紋章は、直径1.5メートル
靖国偕行文庫
靖国偕行文庫
開館
時間
午前9時30分〜午後5時
(土曜日、日曜日も同じです)
なお、閲覧請求の手続きは午後4時30分までにお願い致します。

休館日 毎週月・木曜日(祝祭日にあたる場合は翌日が休館)・12月29日〜31日・特別整理期間(事前に館内に掲示致します。)
URL http://yasukuni.or.jp/
annai/bunko.html

桜の名所としても有名な靖国神社は、敷地内に約600本ほどの桜を所有し、シーズン中は多くの人でにぎわう。また、この時期には、能楽堂での演舞や奉納夜桜能など、日本文化を味わうイベントや行事も多数とり行われるので、是非足を運んでいただきたい。桜の中で観賞する古典芸能は、この時期ならではの贅沢といえるだろう。
桜を楽しむ人々を眺めるかのように立つ、大村益次郎
桜を楽しむ人々を眺めるかのように立つ、大村益次郎
敷地内にはいくつか休憩所がある
敷地内にはいくつか休憩所がある
神門を通して見る桜は、フレームの中の絵画のよう
神門を通して見る桜は、フレームの中の絵画のよう
能楽堂で伝統的な獅子舞を披露する子供たち
石畳にうつる影がまた美しい
能楽堂で伝統的な獅子舞を披露する子供たち
石畳にうつる影がまた美しい
庭園の枝垂桜は日本画のような光景
庭園の枝垂桜は日本画のような光景
 

 北の丸公園  お花見から科学館まで親子で楽しめる穴場スポット

 
北の丸公園
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先ほど渡ってきた歩道橋を再び戻り、九段下方面(左側)に進むと、武道館でお馴染みの北の丸公園が見えてくる。距離としては靖国神社から1〜2分ほどだが、花見のシーズンは、千鳥ケ淵緑道へ並ぶ長蛇の列で混雑している。
北の丸公園は、その名の通りかつて江戸城北の丸のあった場所で、現在は国立公園となっている。8代将軍徳川吉宗の時代には、徳川御三卿であった田安家と清水家が屋敷を構え、明治時代には近衛師団の兵舎が設置されていたが、1969(昭和44年)年、昭和天皇の還暦を記念して北の丸公園として一般に公開されるようになった。

園内には、当時を思わせる屋敷跡のほか、花木園など季節の植物を観賞することができる。桜の名称としても名高く、この日も園内の中央にある水辺では、花見を楽しむ人々の姿が多く見られた。また、武道館だけでなく、地下2階・地上5階建てからなる科学技術館、レンガ造りの外観そのものが重要文化財となっている建築美工芸館(東京都近代美術館分室)など、各種施設も揃っているので、一日中ここでのんびり過ごすのも良いだろう。
 
北の丸公園
住所 東京都千代田区北の丸公園 1-1
電話 03-3211-7878
開園時間 常時開放
入園料 無料
アクセス

中央線/総武線
「飯田橋駅(西口)」、 「市ヶ谷駅」より徒歩10分 他

 

URL http://www.env.go.jp/
garden/kokyogaien/

江戸城最古の田安門は文化遺産に指定
江戸城最古の田安門は文化遺産に指定
清水門と江戸時代そのままの雁木板(石などをつめて作った階段)
清水門と江戸時代そのままの雁木板(石などをつめて作った階段)
清水門と江戸時代そのままの雁木板(石などをつめて作った階段)
日本武道館
日本武道館
住所 東京都千代田区北の丸公園2-3
電話 03-3216-5100
見学受付時間 午前10時00分〜午前11時00分/午後13時00分〜午後16時00分
アクセス 東京メトロ東西線・半蔵門線、都営新宿線「九段下駅」2番出口より徒歩5分
URL
http://www.nipponbudokan.or.jp/
   
科学技術館
住所 東京都千代田区北の丸公園2-1
電話 03-3212-8544
開館時間 午前9時30分〜16時50分(入館は16時まで)
休館日 年末年始(12/29〜1/3)
入館料 大人 600円 中高生 400円 子供(4歳以上)250円
URL
http://www.jsf.or.jp/
科学技術館
   
建築美工芸館(東京都国立近代美術館分室)
建築美工芸館(東京都国立近代美術館分室)
開館時間 千代田区北の丸公園1-1
電話 03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間 午前10時〜午後17時(入館は午後16時30分まで)
休館日 毎週月曜日
入館料 一般 200円 大学生 70円
アクセス 東京メトロ東西線竹橋駅1b出口より徒歩8分 ほか
URL http://www.momat.go.jp/
園内では、桜のほかにも多種多様な花が植えられている
 

 皇居東御苑   自然の中に溶け込む江戸の歴史と皇室文化

 
皇居東御苑
北の丸公園を田安門から道なりに歩き続けると、首都高速都心環状線にぶつかる出口へと到着する。道路をはさんだ向こう側が、皇居東御苑の入り口、北桔橋門(きたはねばしもん)になる。
東御苑は、江戸城の本丸と二の丸、三の丸があった場所で、一部は3代将軍家光の頃に増築が完成したものである。明治時代に入り、所有権が天皇家に移行、戦後には特別史跡に指定され、1938(昭和43年)より一般公開されることとなった。
敷地内では、北の丸公園と同様、江戸城ゆかりの建築物や季節の花々を楽しめるだけでなく、皇室文化も味わうことができる。
皇居東御苑
開館時間 千代田区千代田1-1
電話 03-3213-1111
開園時間 3月1日〜4月14日・9月1日〜10月末日 9時〜16時30分
4月15日〜8月末日 9時〜17時
11月〜2月末日 9時〜16時
※入園はそれぞれ閉園時間の30分前まで
休園日 月・金曜日(天皇誕生日以外の「国民の祝日等の休日」は公開) 12月28日〜1月3日
入園料 無料
URL http://www.kunaicho.go.jp/
北桔橋門から入ると、まず目に付くのが右手にある江戸城天守閣跡(天守台)である。この天守台は、かつての天守閣の名残であり、今は、園内を見渡せるスポットとなっている。この天守台の上には、かつて高さ約60メートル近く、五層からなる天守閣が建てられてた。1657年(明暦3年)、明暦の大火(振り袖火事)で全焼し、その後天守台のみ再建された。
敷地内中央に広がる芝一面のエリアが、本丸跡地である。ここは東御苑でメインのお花見スポットで、訪れた人が、休憩をしたり、散歩をしたりしながら、思い思いの時間を楽しんでいる。お花見シーズンには特に人の姿があちこちに見られるが、喧騒感はなく、全体的に皇居に相応しいゆったりとした平和な雰囲気を味わえる場所である。

園内の出入りには、北桔橋門のほか、大手門と平川門が利用できる。今回のコースである北桔橋門から大手門へは、本丸エリアを通りぬけて行く事ができるが、本丸を囲んだ周辺には、二の丸庭園など所々に歴史や自然を楽しめるルートがあるので、案内図を参考にしながら、時間と体力に応じて是非散策していただきたい。
園内には季節ごとの花が咲いている 園内には季節ごとの花が咲いている
園内には季節ごとの花が咲いている
園内には季節ごとの花が咲いている
47都道府県から寄せられた「都道府県の木々」
音楽や雅楽の演奏会が開かれる桃華楽堂
47都道府県から寄せられた「都道府県の木々」。
手前は宮崎県のフェニックス
音楽や雅楽の演奏会が開かれる桃華楽堂。
タイルで描かれた外観が美しい
諏訪の茶屋
園内に残る番所の一つ、百人番所。「番所」とは、警備の詰所のことで、園内には他に、同心番所・大番所が残っている。城の奥の番所ほど位の高い役人が詰めていた。
松の大廊下跡。吉良上野介への刀傷事件のあった場所で、江戸城中で2番目に長い廊下だった。
写真左上:諏訪の茶屋

写真右上:
園内に残る番所の一つ、百人番所。「番所」とは、警備の詰所のことで、園内には他に、同心番所・大番所が残っている。城の奥の番所ほど位の高い役人が詰めていた。

写真左:
松の大廊下跡。吉良上野介への刀傷事件のあった場所で、江戸城中で2番目に長い廊下だった。
三代将軍家光の庭園を再生した、二の丸庭園
このエリアではお馴染みの光景である、ビルを背景にした桜
三代将軍家光の庭園を再生した、二の丸庭園
このエリアではお馴染みの光景である、ビルを背景にした桜
三の丸尚蔵館
三の丸尚蔵館
電話 03-5208-1063(展覧会情報)
開館時間 東御苑の開園時間と同じ
(閉園は、東御苑閉園時間の15分前)
休館日 月・金曜日(天皇誕生日以外の「国民の祝日等の休日」は公開) 12月28日〜1月3日
入館料 無料
大手門のそばに位置する三の丸尚蔵館には、皇室に代々受け継がれた絵画・書・工芸品などが展示されている。
 

 平将門の首塚   今なお生き続ける武将伝説

 
平将門の首塚 大手門を出て、目の前の内堀通りを右方向に進むと、二重橋などで有名な皇居外苑エリアになる。さらに満喫したい方には、外苑から丸の内へ行くコースもおすすめだが、今回はちょっと趣向を変えて、知る人ぞ知る「平将門の首塚」に行くことにする。大手門から内堀通り沿いを左に進み、一つ目の信号を右に曲がると、ほどなくして「将門塚」の案内板と共に、ビルの影から小さな空間が現れる。そこが、平将門の首が埋葬されていると伝えられる「平将門の首塚」である。周囲をビルに囲まれ、そこだけ時がとまったような光景は、ある種独特の雰囲気を感じさせるが、取材をしている数分の間にも、何人かの訪問者を見かけたところに、人々の関心の高さを伺える。
平将門は、天慶年間(931〜946)に活躍した武将で、朝廷にそむき独立国家設立を図ろうとしたところを、平貞盛らの奇襲を受け、熟年38歳でこの世を去った(天慶の乱)。そのとき京都に送られた首が、一夜にしてこの地に飛んできたという伝承が、「将門の首塚」の由来である。「将門の首塚」といわれる場所は国内にいくつかあるが、そのなかでもこの地が特に有名であり、現在までにさまざまの諸説が生まれている。都の指定旧跡でもある。
 

 丸の内エリア   ビジネスとショッピング、二つの顔を持つ街

 
ここから、今回の最終地点である東京駅を目指して進んでいく。このあたりは道がきれいに区画されているので、どのルートを通ってもわかりやすい。東京駅を中心とするこのエリアは、明治時代からの歴史的建造物も多く、丸ビル・新丸ビルと、ショッピングエリアとしても人気があるので、最後に休憩を兼ねて楽しむのも良いだろう。
1920(大正9)年に設立された日本工業倶楽部
1920(大正9)年に設立された日本工業倶楽部
丸ビルに隣接して建てられた新丸ビル
丸ビルに隣接して建てられた新丸ビル
レンガ造りで有名な東京駅
レンガ造りで有名な東京駅
 

【取材後記】 

北の丸公園入り口にて撮影
今回、半蔵門駅から千鳥ケ淵へ行きましたが、シーズン中のためか、緑道が一方通行に規制されており、お堀側を歩きたい場合は、九段下から行った方が良いようです。ただし、九段下駅から緑道入り口までは、かなり長い列ができていましたが。
桜の名所を中心に周った今回のコースですが、靖国神社は若者の割合が多く、にぎやかな「宴」の雰囲気を楽しむことができ、皇居を中心としたエリアは、年配の方が多く、のんびりとした雰囲気を味わえる場所という印象でした。見所が多いので、「博物館・美術館めぐり」、「桜をのんびり楽しむ」、「ひたすら歩く」など、テーマやメインスポットを決めて、出かけるのも良いかもしれません。個人的には、東御苑でまた花を撮影しに行きたいと思っています。
取材担当:松田

 

 
 
 
 

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