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こだいらぐりーんろーど のびどめようすい |
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武蔵野台地に位置し、江戸時代には水路の開通によって土地開発が進められた小平市。市の南部には、当時から人々の生活を潤してきた玉川上水が流れ、その分水である野火止用水が市の西側を縁取るように北上している。この2本の水路に沿った緑道と狭山・境緑道を結んだ約21kmのコースは、ちょうど小平市を一周する水と緑の回廊として「小平グリーンロード」と呼ばれており、社団法人日本ウォーキング協会の「美しい日本の歩きたくなるみち」500選にも選ばれている。今回は、その小平グリーンロードの一部である野火止用水と玉川上水を辿り、せせらぎと雑木林の風景が続く野趣あふれるウォーキングコースをご紹介。清流に誘われ、岸辺の草花や野鳥の声を愛でながら、珍しい薬草園や癒しスポット、そして史跡を訪ねて歩いてみよう。
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全長 |
約8.3キロ |
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所要時間 |
約4.5時間 |
Access :電車 |
西武多摩湖線で八坂駅下車 |
Access : 車 |
新青梅街道より府中街道を南へ約1分 |
おすすめ
シーズン |
新緑シーズンの4〜5月がおすすめ |
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1 八坂駅 |
↓ |
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徒歩1分 |
2 九道の辻・野火止用水 |
↓ |
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徒歩45分 |
3 野火止緑地 |
↓ |
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徒歩15分 |
4 東京都薬用植物園 |
↓ |
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徒歩1分 |
5 赤松並木レンガ道 |
↓ |
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徒歩25分 |
6 上水小橋・玉川上水 |
↓ |
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徒歩10分 |
7 こもれびの足湯 |
↓ |
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徒歩10分 |
8 彫刻の谷緑道 |
↓ |
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徒歩25分 |
9 竹内家の大ケヤキ |
↓ |
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徒歩3分 |
10 小川寺・小平神明宮 |
↓ |
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徒歩20分 |
11 東大和市駅 |
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九道の辻・野火止用水 350年前に開削された江戸時代の水路 |
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西武多摩湖線の八坂駅を降りたら、まずは駅前の府中街道を南(左)へ。そこから100mほど歩くと、車通りの多い大きな交差点に差し掛かる。ここが小平グリーンロードの起点となる八坂交差点。実は、歴史的にも知られている旧街道の名所なので、信号待ちをする間、ちょっと辺りを見回してみよう。
何本もの道が交差する八坂交差点は、古くは「九道の辻」と呼ばれた交通の要所で、その昔は鎌倉街道、江戸街道、奥州街道、大山街道、引股道、宮寺道、秩父道、御窪道、清戸道の9本もの道が交差していたという。これだけの道が交差していたなら、さすがに道に迷う人もいただろうが、かの新田義貞も鎌倉幕府討伐に向かう際、この辻で道に迷ったらしい。義貞は、後から来る者のために街道脇に一本の桜の木を植えて鎌倉へ続く道の目印としたそうだが、残念ながらこの「迷いの桜」は大正時代に枯れてしまい、今はもう存在しない。現在でもここには7本の道が交わっており、交通の複雑さに変わりはないが、いにしえの人馬の往来が目に浮かぶような賑やかな交差点である。
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八坂駅 |
昔は九道の辻と呼ばれた八坂交差点 |
九道の辻は 旧鎌倉街道の
ほぼ中間地点にあった |
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八坂交差点をななめ右方向に渡ると、緑の木々に包まれた細い緑道へと出る。ここが小平グリーンロードの一つである野火止用水の散策道だ。歩道の右側に繁る草木の下に、早速、野火止用水の水路を見つけた。また歩道の左側には、「九道の辻公園」もあり、道路脇に建つ不思議なモニュメントが緑の回廊の入口を楽しく飾っている。この通りは車も少なく静かなので、のんびりと散歩が楽しめそうだ。
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野火止用水の散策道 |
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九道の辻公園 |
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線路の下を通る用水の流れ
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野火止用水の流れは、緩やかで水も清らか。そしてコイや水鳥の姿も多く見られる。しかし、それ以上に印象的なのは、やはり人が造った人工的な水路とあって、幅が一定で且つどこまでも真っすぐに延びているところだ。水路は住宅街を通るため、岸辺には近所の人々が植えたと思われる様々な花木が見られてまた面白い。西武国分寺線の線路を渡ると、散策道は細くなり、水路はぐっと民家に近づく。民家の入口には小さな木の橋が架かり、岸辺には様々な種類のアジサイが華やかに咲き誇っていた。 |
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用水は民家の脇を流れていく |
民家に架かる木橋とビワの木 |
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野火止用水は別名「伊豆殿堀」と呼ばれ、その歴史は今からおよそ350年前まで遡る。江戸時代初期、玉川上水の開削で功績を上げた老中、松平伊豆守信綱(川越城主)は、その加禄行賞を辞退する代わりに、玉川上水の水を自身の領地内に引き入れる許可を得た。そして承応4年(1655)、家臣の安松金右衛門に命じ、2年をかけて水路を開削。旧小川村(現小平市中島町)の玉川上水から分水した用水は、埼玉県新座市の野火止へと延び、途中、信綱の菩提寺である平林寺界隈を経て、さらに志木市の新河岸川へと注ぐ約25kmの水路となった。これは玉川上水の分水としては最大のもので、水量は江戸(玉川上水)7割、川越(野火止用水)3割という格段の流量。しかし、当時は水喰土と呼ばれる土地に流水が吸い込まれるなどの困難もあったため、用水の水が野火止に達するまでは3年の月日を要したという。
この野火止用水のおかげで、水源の乏しかった武蔵野の台地は潤され、 新田開発などの土地開拓に大いに利用された。しかし、近年に入ってからは水事情の悪化により、1980年代には用水の水は汚れたドブ川と化してしまう。その後、近隣市民の声が高まり、東京都による再整備計画が行われ、昭和59年(1984)についに清流が復活。現在の用水路には、なんと昭島市の多摩川上流水再生センターで高度処理した下水処理水が流れているそうで、再利用水が作る清流が野火止用水の往時の風景を蘇らせている。
昭島市・多摩川上流水再生センター |
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住宅街を通る用水は今や清流 |
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中宿橋 |
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中宿橋を越えると、散策道はさらに細道となる。静かな民家の裏を抜け、第2富士見橋まで来たところで道は急に広がり、水路の流れが見えなくなった。そのまま散策路を歩いていくと、明治学院中・高校のライシャワー館が右手に現れる。並木道の歩道を過ぎ、次の富士見橋から再び水路が出現。多摩丘陵の広がる地域と違って、この辺りは起伏の少ない武蔵野の地形であり、水路は平坦な土地の上をゆっくりと滑るように流れていく。
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第2富士見橋から道は広がる |
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しばらく水路は消え、並木道の歩道が続く |
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明治学院内に建つライシャワー記念館(東村山市)。明治時代の洋風建築で、 昭和39年に学院内に移築 |
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歩道の右側に再び水路が出現 |
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散策道は細道となる |
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野火止緑地・放流口 雑木林と水路の流れに武蔵野の風景が蘇る
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土橋を過ぎると、散策道は急に雑木林の中へと導かれる。この小さな保全林を流れる用水の対岸は隣の東村山市。市境になっている野火止用水の整備は、近隣市と協力して行われているそうで、水辺や散策道は両岸とも非常によく整っている。
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こなら橋から眺めた野火止用水 |
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雑木林の水辺の遊び場
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散策道は急に雑木林の中へと入る |
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こなら橋 |
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こぶし通り
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こぶし通りの向こう側には、さらに広大な雑木林が広がっていた。ここは武蔵野の雑木林の面影を残す野火止緑地。ここからは野火止用水の水路も幅広に整備され、岸辺には可愛らしい木の橋や親水スポットが設けられている。木陰で涼しく、ベンチもあるので、散策や犬の散歩に訪れる人の姿を多く見かける。 |
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野火止緑地 |
ふれあい橋付近の親水スポット |
緑地にはクヌギ、エゴノキ、コナラなどが
繁り、小平市の鳥「コゲラ」の姿も見られる |
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蛍が生息する「せせらぎ」 |
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野火止緑地の西側の出入り口付近には、野火止用水の放流口がある。多摩川上流水再生センターから地下を通って送水される処理水は、ここから地上に出てくるのだ。放流口はまるで岩場の湧水のように周りの自然と調和しており、一見して人工的なものに見えないところがまたいい。
野火止緑地を出ると、散策道は左に折れるが、そこには野火止用水の続きのような浅い小川が流れているからまた不思議。実は、地下を通る野火止用水を少しだけ汲み上げて地上に流し、そこに蛍が生息できる「せせらぎ」を作っている。管理しているのは、この小川に隣接する東大和市。東大和市によると、蛍の飼育増殖は難しいそうだが、毎年5〜6月にはこのせせらぎで蛍の光が楽しめるという。
アメンボやザリガニもいるせせらぎは、
子供たちの絶好の遊び場 |
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東京都薬用植物園 薬用・毒物の草花と、初夏に花咲く禁断のケシは必見! |
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散策道をそのまま進み、青梅橋交差点を渡れば、右手に東大和市駅が見えてくる。その交差点の左手には、東京都薬用植物園が広がっている。ここでは珍しい薬草が沢山栽培されているというので、ちょっと立ち寄ってみることにした。
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東京都薬用植物園 |
住所 |
小平市中島町21-1 |
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電話 |
042-341-0344 |
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開園時間 |
4〜9月:9:00〜16:30
10〜3月:9:00〜16:00 |
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休園日 |
年末年始 |
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入場料 |
無料 |
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東京都薬用植物園は、昭和21年に設立された薬用植物の研究機関で、都内唯一の薬用植物園。3.1haの広大な敷地内には、国内外から収集された1600種以上の薬用植物が栽培されている。ここでは、主に植物系健康食品や脱法ドラッグなどの鑑別等に関する試験・研究が行われており、薬用植物以外にも染料植物や香料植物、また危険な有毒植物なども栽培している。
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薬用・有用植物区 |
発汗薬となるカミツレ |
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制菌、湿疹、利尿に効くドクダミ |
有毒植物のジギタリス |
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ケシ・アサ栽培区 |
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柵の中で育つケシはアヘン・モルヒネの原料 |
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葉を広げるアサの株 |
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園内南側の植物区に向かうと、二重の鉄柵で囲まれた異様な一角がある。中にはセンサーまで取り付けられ、まるで猛獣を囲う檻のような外観だが、なんとこの中では国内で栽培が禁止されているケシやアサなどの麻薬原料植物が植えられている。この日はちょうどケシの花が咲く5月であったが、下旬ともなるとほとんどの花が咲き終わっていた。しかし、それでもなお丈を伸ばして天へと直立するケシの姿には、なんとも不気味な生命力を感じる。隣にはアサの株もあり、怪しげな形をした大麻の葉を手の平のように広げていた。この鉄柵の外には、麻薬ではないケシ科の花も咲き乱れ、こちらは観賞花らしく美しい花畑を作っている。
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ほかにも、園内には温室冷房室や薬事資料館がある。また薬草教室や観察会も開催されているので、一般の人でも薬草について詳しい知識を得ることができる。
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熱帯地域の植物を集めた温室 |
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薬事資料館 |
冷房室で咲いたヒマラヤの青いケシ |
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赤松並木レンガ道・上水小橋 木漏れ日の降り注ぐ小路を歩き、玉川上水へ
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薬用植物園を出たら、再び東大和市駅前から続く散策道を歩いていこう。ここからは、樹齢60年以上の赤松が並ぶ並木道。歩道は赤レンガが敷き詰められたロマンティックな小路となっており、併走する西武線の線路に時折電車が過ぎ行く以外は、とても静かで歩きやすい。
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赤松並木のレンガ道。
野火止用水はこの下の暗渠の中を流れる |
右手に西武線が通る |
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樹齢60年以上の赤松や
ケヤキ、カシの木が作る
かつての
野火止用水の風景 |
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散策道が右に折れてから、500mほどのところで玉川上水にぶつかる。石碑脇の階段を下りていくと上水小橋があり、独特な構造の飛び石を辿って水路の底へと下りられる。水の流れは緩やかだが、むき出しの堀と鬱蒼と繁る草木に囲まれた水路底の風景は、上から覗いてみるよりも迫力がある。
玉川上水
小橋の先には石組みから流れる滝があり、ここが玉川上水の放流口となっている。実は、羽村取水堰から流れてくる玉川上水の水は、どこまでも水路でつながっているように見えて、実際にはこの放流口の奥に建つ都水道局小平監視所から暗渠に入り、地下水路で東村山浄水場へと運ばれている。これは都民の飲料水として利用されるためだが、昭和40年(1965)にそれまで送水されていた新宿の淀橋浄水場が廃止されると、小平監視所より下流域の玉川上水は水が止められ、堀は空堀となってしまった。その後、東京都の清流復活事業により、昭和61年(1986)から昭島市多摩川上流水再生センターの下水処理水が送水されることになり、空堀の下流域が復活。これで玉川上水は再び一本の水路として蘇えるが、小平監視所を境に上流は多摩川の源流、下流は下水処理水が流れるという、ちょっと奇妙な水路となった。 |
上水小橋から水路の底へ |
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滝の形をした玉川上水の放流口。この水は「蘇る水100選」に指定 |
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上水小橋辺りからの下流域は下水処理水が流れる |
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玉川上水・こもれびの足湯 復活した清流に誘われて、緑の中の癒しの足湯へ
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玉川上水の散策道は、上水の両脇に延びており、北側は小平市、南側は立川市となっている。ここは、あえて小平グリーンロードと名のつく北側の散策道を歩いていこう。上水小橋から散策ルートは東に折れ、木々の繁る土の上の道となる。街中の住宅街にある道とは思えないほど自然が残る散策道で、まるで山中をハイキングしているような風景だ。 |
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こもれびの足湯
(小平・村山・大和衛生組合) |
住所 |
小平市中島町2−1 |
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電話 |
042-341-4345 |
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開園時間 |
3〜9月:9:30〜16:30
10〜2月:9:30〜16:00 |
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休業日 |
木曜日(祝日の場合は翌日)、
年末年始、焼却施設の点検日 |
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入場料 |
無料 |
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東屋の下では見知らぬ人との
おしゃべりも楽しい |
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途中左手に、人の賑わう公園のような施設が突然現れた。中を覗いてみると、なんと新しくできたばかりの足湯の施設だった。こんなところに足湯があるとはラッキーだが、さらに嬉しいことに料金も無料。ウォーキングで疲れた足を休めるには、絶好の休息スポットだ。
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小平グリーンロード・玉川上水の散策道 |
散策道で出会った2本の
ヤマザクラ。愛称は子宝桜 |
この「こもれびの足湯」は、隣に建つ小平・村山・大和衛生組合がゴミ処理事業の普及啓発と地域コミュニティの活性化を目的に整備したもの。ここでは組合内の地下から汲み上げられた天然水をゴミ焼却炉の余熱で温め、足湯に利用している。またエコロジーに気を配
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川のような形をした足湯 |
った建材が多く用いられており、エコ施設としても興味深い所だ。足湯の湯は約38度〜42度。雑木林の空気を吸いながら、お好みの湯に浸かり、ゆっくりと足の疲れを癒そう。 |
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彫刻の谷緑道・竹内家の大ケヤキ 芸術に親しめる小川の谷と旧農村に残る大木
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小川橋まで歩いたら、交差点を渡って立川通りへ。ここは車通りの多い道だが、歩道の西側には小川用水に沿って彫刻の谷緑道が延びている。歩道の脇に緑道へと下りられる階段があるので、ぜひ下りてみよう。小さな緑道には、近隣の武蔵野美術大学の学生たちが創作した彫刻作品が水辺に並び、芸術鑑賞も楽しめる素敵な小路となっている。 |
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立川通り |
立川通り脇を流れる小川用水 |
彫刻の谷緑道 |
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小川用水は、玉川上水の小川橋付近から分水した用水路だが、ここを流れる水は下水処理水ではなく、実は多摩川の源流。なんと小平監視所から玉川上水下流域に沿って、新堀用水(小平分水)という明治時代からの古い地下送水管が平行して延びており、そこには環境維持のため玉川上水源流の一部が流され、小川用水へと分水されている。つまり、小川用水は密かに流れる玉川上水源流の支流。元来からの清流と瑞々しい緑が芸術作品と調和して、心癒される空間が広がっている。
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水辺に建つ彫刻作品 |
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日枝神社を過ぎ、立川通りが青梅街道につながるちょっと手前に、大ケヤキ道という細道が右手に出てくる。この道を入り、すぐ右手に見える農家の屋敷森の中に、一本のケヤキの巨木がそびえているので必見だ。これは竹内家の大ケヤキと呼ばれるもので、寛文年間(1661〜73年)に防風林として植えられたものらしく、樹齢は約350年。木の高さは35m、目通りの周囲は6.5mもあり、太い幹の貫禄に圧倒される。
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小川寺・小平神明宮 旧小川村開発当時に創建された歴史ある寺社 |
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青梅街道を東に200mほど進んだところに、小平市の歴史ある寺社が建っているので立ち寄ってみよう。右手に堂々たる山門が建つのは、小川村を開発した小川九郎兵衛安次が明暦2年(1656)に開山した臨済宗の寺、小川寺。山門を入ると左手に鐘楼が2つあり、奥にある方が貞享3年(1686)に鋳造された古い梵鐘だ。右手には本堂、そして手入れの行き届いた庭園が広がっており、整然として美しい境内である。
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青梅街道を東へ |
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小川寺の真向かいに建っているのは、寛文元年(1661)に創建された小平神明宮。天照大神を祀る旧小川村の鎮守社で、参道入口の左側には小川村開村碑が建つ。鳥居脇に残る巨大なご神木の切り株や、参道の大きなケヤキ並木から、歴史の古さが感じ取れる。 |
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小平神明宮 |
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ケヤキ並木の参道 |
参道左手に建つ小川村開村碑 |
小平神明宮社殿 |
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ここまで来たら、青梅街道の車の流れも賑やかになり、日も暮れかけてくる頃。このまま青梅街道を西へと戻れば、20分ほどで東大和市駅に着ける。ウォーキングルートはその駅前で終了。その前に、さらに寄り道していきたい人には、小川寺から青梅街道を200mほど東側に進んだところにある、日帰り温泉「テルメ小川」がおすすめ。ここは和風と洋風の大浴場がある天然温泉で、ウォーキングで歩き疲れた身体をリフレッシュしてくれる。
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テルメ小川 |
西武拝島線・東大和市駅 |
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【取材後記】 小平グリーンロード・野火止用水 近隣の〜クウ・ネル・アソブ〜 |

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名物の糧うどん |

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薬用植物園 |
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野火止用水流域の市で育った私にとって、この水路は小学校の社会科で最も多く学んだ市史の名として記憶している。授業では人々がどれだけ苦労してこの水路を掘り、どれだけ辛抱強く水が流れてくる日を待ったかを教わり、その根性と忍耐を持った武蔵人の誇りは学校の校歌にも盛り込まれた。今回のウォーキング中にも当時の校歌が懐かしく思い出され、また教科書にあった堀を掘る農民たちの挿絵まで脳裏に蘇った。清流となって復活した野火止用水の流れを辿る美しい緑道は、武蔵人としての誇りを感じる散策路である。
さて、小平グリーンロード周辺で楽しむ今回のクウ・ネル・アソブ。クウ・スポットにおすすめなのは、市内のそば・うどん店で食べられる名物の「糧うどん」。これは小平周辺の地域で昔から食べられている手打ちうどんで、温かいつゆに茹でた野菜と、冷たい盛うどんをつけて食べる郷土料理のひとつ。野菜の歯ごたえも楽しめる、ボリュームのあるうどんだ。またネル・スポットにちょうどいいのは、野火止緑地にあるベンチか、薬用植物園の東屋が快適。そしてアソブ・スポットに立ち寄るなら、西武線で国分寺駅まで行くのが便利。駅前繁華街を散策するか、または中央線に乗り換えれば国立、立川にも至近だ。 |
取材担当:美月春菜 |
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