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多摩武蔵野ウォーキング
 
青梅市  OME
  御岳山と御嶽神社
みたけさんとみたけじんじゃ 

武蔵御嶽神社を祀る関東随一の霊場を行く

古くから関東地方随一の霊山として崇められてきた御岳山。現在では山岳信仰の聖地としてだけではなく、ハイキングを楽しむ行楽地として、さらには東京都心部のイルミネーションを楽しむ夜景スポットとして、多くの人に愛される名山となっています。今回のウォーキングでは、ただの「山登り」だけではない楽しみ方も織り交ぜながら、御岳山の魅力をお伝えしていきます。

 
 
全長
約9キロ
所要時間
約2時間
Access :電車
JR御岳駅から徒歩10分
Access : 車
圏央道「青梅I.C」から青梅街道で約30分
おすすめ
シーズン

8月

 
 
 

→より詳細な地図を見る

1 御嶽駅
 ↓
徒歩10分
2 玉堂美術館
 ↓
徒歩10分
3 御嶽駅
 ↓
バス10分
4 滝本駅
 ↓
ケーブルカー6分
5 御岳山駅
 ↓
徒歩25分
6 産安神社
 ↓
徒歩20分
7 神代ケヤキ
 ↓
徒歩30分
8 武蔵御嶽神社
 
 

 御嶽駅 - 玉堂美術館    御岳を愛した巨匠の作品に会いに行こう

御嶽駅を降りたら、まずは目の前を横切る青梅街道、それとほぼ平行して流れる多摩川を渡って、吉野街道沿いにある玉堂(ぎょくどう)美術館を目指しましょう。 奥多摩の山々、鳩ノ巣渓谷方面から下ってくる多摩川の水は、大きな岩にぶつかり、あちらこちらで白いしぶきをあげ、豪快な姿を見せてくれます。御嶽駅前の御嶽橋のほか、玉堂美術館へ向かう林道、美術館の裏手に架かる木の吊り橋からは、その力強い様を間近に見ることができるので、水のエネルギーを感じて下さい。

多摩川のほとりに建つ「玉堂美術館」は、日本画壇の巨匠である川合玉堂の死後に、彼が晩年を過ごした御岳の人々の有志や全国のファンからの寄付により建てられた美術館です。館内には、玉堂の名画の数々や愛用品などが展示されているほか、再現された画室や石庭なども見学することができます。

玉堂作品の特徴は山・川・草木など自然や、そこに暮らす人と動物の生き生きとした姿を描き出す手法。その作品と玉堂の心が、今もなお、地元の人々をはじめ、多くの人々に愛され続けている理由でしょう。

玉堂美術館の見学を終えたら、裏手にある吊り橋を渡って、再び御岳駅前に向かいバス停へ。ここから御岳山のケーブルカー乗り場まで、直通のバスが出ています。
御嶽駅
玉堂美術館の裏手には吊り橋が。岩場を流れる多摩川の迫力を感じて下さい。
玉堂美術館の裏手には吊り橋が。
岩場を流れる多摩川の迫力を感じて下さい
玉堂美術館
玉堂美術館
住所 青梅市御岳1-75
電話 0428-78-8335
休館日 月曜(祝日の場合翌日)、12/25-1/4、9月上旬に臨時休館あり
入館料 大人500円/中高生400円/小学生200円
御岳駅前からケーブルカー乗り場までは、こちらのバスで移動。
御岳駅前からケーブルカー乗り場までは、
こちらのバスで移動
 

 滝本駅 - 御岳山駅 - 御岳山   ケーブルカーとリフトを使えば10分ほどで山頂の展望台へ♪

 
御岳登山鉄道(ケーブルカー)
御岳登山鉄道(ケーブルカー)
電話 0428-78-8121
時間 7:30-18:30
(20〜30分程度間隔で運転)

御岳駅前からバスに乗り、御岳登山の入口である「滝本駅」へ。ここからケーブルカーで標高831mにある「御岳山駅」へ向かうもよし、体力に自信のある方、ゆっくり山歩きを楽しみたいという方は、徒歩で山頂を目指すもよし。

御岳登山鉄道のケーブルカーは、青とオレンジの2台で運行されており、それぞれ青い車両は「青空号」、オレンジの車両は「日出号」という愛称が付けられていて、ハイカーたちに親しまれています。定員は135名。車掌席はありますが、実は車内に運転席はありません。では、どうやって操縦しているのかというと、山頂にある運転室にいる運転士が2台の動きをコントロールしているのです。

ケーブルカーの御岳山駅から先は、1人乗りのリフトがあり、ご来光を仰ぐ絶好スポットでもある展望食堂まで2分ほど。徒歩でも10分ほどで到着しますので、道沿いの草木や花を楽しみたいという方は、徒歩もお薦めします。

滝本駅、御岳山駅には、それぞれお手洗いがあるので、御嶽神社へのウォーキングに備えて、こちらで休憩をしておくと良いでしょう。また、土産店も併設されていますので、お帰りの際に立ち寄ってみると良いかもしれません。

 

 
御岳山頂からの眺め。遠くには東京の都心部が見渡せます。
御岳山頂からの眺め。遠くには東京の都心部が見渡せます
ケーブルカーに乗れば、約6分で標高831mの御岳山駅へ。
ケーブルカーに乗れば、約6分で
標高831mの御岳山駅へ
展望食堂へは御岳山駅からリフトに乗り換えて、さらに2分。もちろん徒歩でも登れます。
展望食堂へは御岳山駅からリフトに乗り換えて、
さらに2分。もちろん徒歩でも登れます
 

 御岳山   山岳信仰の聖地と崇められる霊山

 
山岳信仰の聖地として、古くから霊山と崇められてきた標高929メートルの山。ムササビをはじめとする、都会ではなかなか見られない動物や、カタクリ、レンゲショウマなどの短い期間に美しい花を咲かせる植物が見られることでも知られ、東京の人気行楽地のひとつにもなっています。

展望食堂の先には、御岳ビジターセンターがあり、御岳山で暮らす動物のこと、御岳山に自生する植物のことなどを、詳しく教えてもらえるので、ムササビが見られる場所を教えてもらって、空を舞うムササビ見学を楽しむのも良いでしょう。

空気の澄んだ日には山頂からは東京の都心部まで見渡すことができ、日が暮れると東京タワーや横浜方面のイルミネーションを楽しむこともできる、夜景スポットとしても人気。また正月には、初日の出のご来光を拝む多くの人で賑わう場所でもあります。

山頂には御嶽神社があるため、参道が整備され、参拝者向けの飲食店や宿、温泉なども多数。ウォーキングの途中で、冷たい飲み物を戴いたり、一泊して夜景やご来光を楽しむなんていう贅沢な使い方もお勧めです。
標高929mの御岳山頂から望む青空。
標高929mの御岳山頂から望む青空
御岳ビジターセンター裏にかけられたムササビ小屋。
御岳ビジターセンター裏にかけられた
ムササビ小屋
草木の間を優雅に舞うアゲハチョウ
山頂には参拝者、登山者向けの旅館街が。
冷たい梅ジュースなどを扱う山頂付近の茶屋「古狸山」。
山頂には参拝者、登山者向けの旅館街が
冷たい梅ジュースなどを扱う山頂付近の茶屋「古狸山」
御嶽神社手前の土産物屋街。
彼方に見えるのが御嶽神社と旅館、土産物屋街。
御嶽神社手前の土産物屋街
彼方に見えるのが御嶽神社と旅館、土産物屋街

 

 産安神社 - 神代ケヤキ   樹齢1000年を超える大ケヤキをはじめ、数々の神木が

樹齢1000年を超えると言われる神代ケヤキ
勾玉型のコブが子宝の象徴とされ、念じながら触ると子を授かると言われている子授檜。
樹齢1000年を超えると言われる神代ケヤキ

勾玉型のコブが子宝の象徴とされ、念じながら触ると
子を授かると言われている子授檜

樹齢1000年を越えるといわれる巨樹やご利益があるといわれる神木が、数多く見られるのも、古くから霊山と畏れられてきた御岳山ならでは。

例えば、展望食堂の裏にある産安社の脇には「安産杉」「夫婦杉」「子授檜」という3つの名木が。それぞれ木の幹に触れると、安産、夫婦円満、妊娠に効果があるとされ、御岳登山をしに来たご夫婦やカップルが参拝する姿も見られました。

さらに御嶽神社方面へ足を進めると、離れた場所からでも威圧感を感じるほどの巨木が出現。国の天然記念物にも指定されている、推定樹齢1000年、高さ約23メートル、幹周り約8.2メートルもの大きさを誇るケヤキの木、通称「神代ケヤキ」です。

御嶽神社の社伝では、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東征のためにこの地を訪れた際には、すでに生い茂っていた木とされているそうですが、青梅市教育委員会によると、この木は平安時代のものと推定されるそうです。
長寿・安産・子孫繁栄のご利益があるとされる安産杉。
木の間を潜ると、良縁のご利益がある夫婦杉。
長寿・安産・子孫繁栄のご利益があるとされる安産杉
木の間を潜ると、良縁のご利益がある夫婦杉
御岳山には様々な植物が生え、鮮やかな色の花が咲き乱れます。
御岳山周辺には柚子の木があり、8〜10月頃にかけて青柚子の実がなります。
神代ケヤキの根元など、山のあちらこちらで咲く秋海棠(シュウカイドウ)。
御岳山には様々な植物が生え、
鮮やかな色の花が咲き乱れます
御岳山周辺には柚子の木があり、
8〜10月頃にかけて青柚子の実がなります
神代ケヤキの根元など、山のあちらこちらで
咲く秋海棠(シュウカイドウ)
 武蔵御嶽神社    鎌倉武士から行楽客まで幅広く親しまれる関東随一の霊場
 

御岳山に鎮座する武蔵御嶽神社が創設されたと伝わるのは、紀元前90年。山岳信仰が盛んになるとともに、鎌倉の有力な武将たちの信仰を集め、厄除け、延命、長寿、子孫繁栄を願う多くの人たちが参拝し、栄えてきました。

現在でも、関東地方随一の霊場として、各地の講(神社や寺院へ参拝するグループ)が参拝に訪れている他、行楽客の参拝もあって賑わいを見せています。

現在の権現造りの拝殿・幣殿と神明造りの本殿は、江戸幕府によって造営されたもので、本殿の脇には宝物殿も。こちらには、国宝の赤糸威大鎧(あかいとおどしおおよろい)をはじめ、鎧・太刀など多くの重要文化財が展示されています。赤糸威大鎧は、鎌倉時代の武将・畠山重忠によって奉納された、関東地方に残る唯一の大鎧で、世界に誇る三大鎧の1つにも数えられています。

武蔵御嶽神社では、歴史を今に伝える祭儀・行事も多くとり行われ、参拝客・行楽客を楽しませてくれます。例えば、都の無形民俗文化財に指定されている薪神楽は、歴史や神話を伝える宗教儀式として、大鳥居前の広場で披露されています。

武蔵御岳神社
武蔵御岳神社
住所 青梅市御岳山178
電話 0428-78-8500
HP ホームページ
御嶽神社は、この階段を上った先に。
各地域の講の参詣を記念する石碑。
国宝「赤糸威大鎧」を奉納した畠山重忠の像。
御嶽神社は、この階段を上った先に
各地域の講の参詣を記念する石碑
国宝「赤糸威大鎧」を奉納した畠山重忠の像

 

 

【取材後記】   こぐまのウォーキング日記

 鉄道、バス、ケーブルカー、リフトなどが整備され、登山経験が少ない方や体力に自信がない方、小さなお子様がいるファミリーなどでも、気軽に楽しめる山、御岳山。豊かな自然、御嶽神社などの魅力はもちろんのこと、飲食店、旅館、土産店など、山の上に賑やかな「街」があるのも、御岳山の魅力のひとつと言えるでしょう。なかには山女をはじめとする川魚の串焼きを振舞ってくれるお店もありますので、ウォーキングの途中やお帰りの際に、ぜひお楽しみ下さい♪
取材担当:こぐま
 
 
 
 

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