|
|
|
|
|
おくたま・にっぱら、きょじゅとしょうにゅうどうめぐり |
|
大自然が広がる奥多摩。「東京にも、まだこんなに雄大な景色が広がる場所があったのか」という感動を覚えるこの土地に、緑のカーテンに包まれる「巨樹の森」と、石灰岩に包まれる神秘的な「鍾乳洞」が存在します。どちらも涼しげな空気が流れる素敵な避暑地。奥多摩・日原へ納涼ウォーキングに出掛けてみませんか? |
|
|
|
|
全長 |
約9キロ |
|
所要時間 |
約3時間 |
Access :電車 |
JR奥多摩駅からバス35分 |
Access : 車 |
青梅街道「奥多摩駅入口」交差点から30分 |
おすすめ シーズン |
7・8月 |
|
|
|
|
|
|
|
1 東日原バス停 |
↓ |
|
徒歩10分 |
2 森林館 |
↓ |
|
徒歩10分 |
3 巨樹ギャラリー |
↓ |
|
徒歩1分 |
4 日原ふるさと美術館 |
↓ |
|
徒歩30分 |
5 水垂のトチ(巨樹コース) |
↓ |
|
徒歩20分 |
6 一石山神社 |
↓ |
|
徒歩3分 |
7 日原鍾乳洞 |
|
|
|
|
|
|
|
|
奥多摩駅・東日原バス停 奥多摩と秩父を結んだ生活の道「日原街道」 |
|
奥多摩駅を出ると、すぐ右手に東日原方面行きのバス停があります。平日は「鍾乳洞」バス停行き、土曜・休日は2つ手前の「東日原」バス停止まり。こちらのバスに乗って、「東日原」に向かいましょう。
バスは奥多摩駅を出発すると、5分ほどで日原街道に入ります。日原街道は奥多摩町の中心である氷川から日原鍾乳洞までの全長約10キロほどの都道。多摩川の支流のひとつ、日原川沿いに上流方向へ走る一本道。
現在は、奥多摩駅からのバスが通る舗装道路ですが、かつては険阻な山道。奥多摩と秩父を結ぶ重要な機能を持ってきた日原街道は、一石山神社や三峰神社への参詣道として、また物資交換の運搬ルートとして、周囲の人々の暮らしとともに、時代を刻んできた生活の道でもあります。
この日原街道に沿って、バスに乗ること約30分で「東日原」バス停。今回のウォーキングは、この東日原から日原鍾乳洞へ向かいます。 |
|
|
|
|
森林館・巨樹ギャラリー 日原ふるさと美術館
|
|
「東日原」バス停から徒歩5分で、最初の目的地、「森林館」に到着します。 こちらは日本で唯一の巨樹の情報センターとして、67,370本の巨樹・巨木林のデータベースをもとに、巨樹の調査や森の保全活動を行っている施設です。
入館料を支払って受付を済ますと、まずはシアタールームへ通され、巨樹の魅力と尊さを紹介するビデオを見せてもらえます。各地にある巨樹と、その近隣に住む人々の暮らしとの密接な関わり方について、そして自然破壊が進む中で、どのように巨樹や森林、自然との関係を築いていくべきかを学習しましょう。
また、近所には巨樹画家・平岡忠夫さんが描いた巨樹画2000枚以上を収蔵する「巨樹ギャラリー」もあり、こちらを中心とするエコミュージアム構想も進められています。巨樹の歴史や文化を五感で感じる「巨樹の森ガイドツアー」や、小中学校の総合学習の場、中高年の生涯学習の場として、巨樹の魅力を伝える活動も行っているので、興味のある方はこちらに参加してみるのも良いかもしれません。
|
森林館 |
住所 |
西多摩郡奥多摩町日原819 |
|
電話 |
0428-83-3300 |
|
開園時間 |
10:00〜17:00(12月〜3月は16:00) |
|
休園日 |
毎週月曜日(休日の場合翌日)
12/28〜1/5 |
|
|
|
|
日原ふるさと美術館 |
住所 |
西多摩郡奥多摩町日原775-4 |
|
電話 |
0428-83-3300 |
|
休園日 |
年末年始 |
|
開園時間 |
月曜日
祝日の場合は翌日休 |
|
|
|
|
旧日原小学校の校舎。この裏手に
ふるさと美術館があります |
|
|
旧日原小学校で学んだ子供たちの思い出が詰まった「タイムカプセル」 |
|
|
|
|
|
巨樹コース・水垂のトチ 巨木に囲まれた山道を進むと、ゴールには巨大なトチの木が― |
|
891本。この数字が何をさすか、わかりますか?これは、奥多摩町で確認されている巨樹・巨木の数です。町内でも特に巨樹・巨木が集中している日原地区は、巨樹・巨木の本数日本一(2002年現在)だとか。
巨樹・巨木の学問的な定義はありませんが、環境省が行った「巨樹・巨木林調査」では、地上1.3mの幹の周囲が3m以上の樹木を対称にしています。
現在の奥多摩町は94%が山林で、日原川上流には東京都では大変珍しい、ミズナラやブナの大木を含む広大な自然林が残されています。自然林は保水力が強いため、治山・治水対策や、水源を育むのに役立っています。
日原森林館や巨樹ギャラリーの裏手には、森林ウォッチングをしながら歩ける「巨樹コース」という林道があります。スギ、アカマツ、モミ、ナラなどが並ぶ山の中を、深呼吸しながら進みましょう。 |
|
|
日原街道と合流する地点には、水垂のトチと呼ばれる巨大なトチの木がそびえています。巨樹コースのクライマックスを告げるかのような、その堂々とした出で立ちを目に焼き付けて、街道に下りましょう。なお、この巨樹コース内ではニホンカモシカが生息しています。散策中にニホンカモシカに出会ったときは、驚かさないように静かに見守ってあげて下さいね。
←旧日原小学校の裏手の山には、巨樹をめぐる巨樹コースの入口が |
|
|
|
スギやアカマツなどの巨樹が並ぶ山道。
ニホンカモシカに出会うことも!? |
日原街道へ抜けるコースの終点付近には、
ひときわ目立つトチの巨木が出現 |
|
|
水垂のトチ |
|
|
|
|
|
|
一石山神社(いっせきさんじんじゃ) 関東をはじめ、東北各地でも広く知られた山岳修験道の聖地
|
|
|
|
一石山神社 |
|
|
巨樹コースを抜けたら今回の主役、「日原鍾乳洞」は、すぐそこ。でもその前に、鍾乳洞入口の手前にある「一石山神社」に立ち寄りましょう。
かつては「一石山権現」と呼ばれ、山岳修験道の聖地として広く、関東・東北各地で広く知られる神社でした。すぐ向かいにある日原鍾乳洞そのものを御神体として祀っていて、毎年9月には、獅子舞のお祭りが催されます。日原の獅子舞は、江戸時代初期の1612年に、出羽の国(現在の山形県)から獅子頭3つを持った僧道栄により伝えられたと言われています。
一石山神社のさらに先には、東京都と埼玉県の境をなす「仙元峠」があります。日原側から峠を越えると埼玉県の秩父地方。この峠道が、かつての日原街道です。かつて、奥多摩の人たちは仙元峠を越えて三峰神社へ参詣し、反対側の秩父の人たちは甲州・富士山方面へ向かうために峠を越えてやってきました。また、峠を越えて一石山権現へ向かおうとする修験者が、長旅で小銭を持ち歩くのは大変だということで、峠の日原側には「両替場」があたっという言い伝えもあります。
このように一石山神社や日原街道、仙元峠は、かつては地域の人々が行き交う賑やかな場所でした。 |
|
|
|
|
日原鍾乳洞(にっぱらしょうにゅうどう) 中は年中11℃。火照った身体をひんやり癒す神秘の洞窟
|
|
一石山神社へ参拝したら、いよいよ今回のウォーキングのメインディッシュ、東京都の天然記念物にも指定されている「日原鍾乳洞」へ。鍾乳洞の入口前では、巨大な岩の間を縫って流れる日原川が涼しい空気を運んでくれます。なお、鍾乳洞の中は年間を通じて11℃に保たれているので、真夏であっても薄手の上着を持ってお出かけになることをお薦めします。
関東随一の規模を誇る日原鍾乳洞は、果てしなく長い年月をかけて作り出された石灰岩の芸術品。天井から垂れ下がる鍾乳石と、地面から突き立つ石筍、そして両者がつながってできた石柱が幻想的な空間を彩ります。 ガマ岩、賽の河原など、石筍・石柱にはそれぞれ名前が付けられているので、入口で渡されるマップを見ながら、鍾乳洞探検を楽しみましょう。
特に「新洞」部分は大きく成長した石筍・石柱のオンパレード。洞内最大の石筍である白衣観音は、神秘的な空気をかもしだし、「水琴窟」では水が落ちる音を洞窟の壁が反響させ、澄んだ音を奏でてくれます。まさに日原観光の目玉と呼べる、素敵なスポットです。 |
|
|
日原鍾乳洞 |
|
|
|
|
|
|
十二薬師の洞、天井には無数の
一円玉が備えられている |
竜王の間に立つ獅子岩 |
鍾乳洞の入口には日原川が
岩場をぬって流れる |
|
|
|
【取材後記】 こぐまのウォーキング日記 |
|
日原川沿いに咲くあじさい |
|
東京に鍾乳洞が―?いくら奥多摩が自然豊かな土地だとは言え、まさか鍾乳洞までは・・・。半信半疑のまま、日原街道を北上。一石山神社の辺りまで差し掛かり、ようやくその存在を確信。20メートルはあろうかという巨大な石灰岩が立ちはだかっています。長い年月をかけて生み出された日原鍾乳洞の荘厳さは、本文で述べたとおり。
また、鍾乳洞へ向かう途中の「巨樹コース」。こちらでは撮影中に野生のニホンカモシカに出会うという、想定外の出来事が起こりました。このコースは、町が推薦する散策コースなので、当然多くの人間が足を踏み入れているはずです。そんなところに、野生のニホンカモシカが姿を現すなんて、びっくりしました。山道でのウォーキングは、常に動物たちとの共存を意識する必要があります。彼らに刺激を与えないよう、また生活の邪魔をしないように通行しましょう。
こちらのウォーキングコースでは、鍾乳洞・巨樹の森から溢れ出す自然の息吹を、五感で感じて下さい! |
取材担当:こぐま |
|
|
|
|
|
|